8日、ドイツW杯の傾向や日本代表の課題をまとめた、テクニカルレポートの会見に行ってきました。
正直、詐欺にあった気分。
1日に協会から配布された告知リリースはこう。
「2006年FIFAワールドカップドイツ 日本代表テクニカルレポート」メディア向け説明会を実施いたします。
ドイツW杯で技術委員会が何を感じ、今後、日本サッカーをどうすべきか、が聞ける場、と考えますよね?だから、多くの記者が会場に集まった。
ところが・・・。
会場で配られたのは「2006FIFAワールドカップドイツ オフィシャルライセンスDVD JFAテクニカルレポート 商品概要」と書かれたリリース1枚。
おいおい。
田嶋幸三専務理事(前技術委員長)、布啓一郎技術副委員長が、パワーポイントや、明日発売されるDVDの一部を使って、延々と説明を続けただけ。資料は何一つ渡されないままだった。
記者たちの大抗議で、DVDとセットで発売される「テクニカルレポート」が1冊プレスルームに届けられたけれど、うやうやしく「持ち出し禁止」とテープが貼られ、どうにも協会側の考えが理解できないままだった。
何のために作成したレポートか?
日本のサッカーの現状を世間に知らしめ、世界のサッカーの傾向を的確に伝え、今後、日本がどの方向性を目指すのか宣誓するためのものです。
なのに、内容をわれわれに伝えず、現物を詳細に精査することができない状況で、読者のみなさんに何が伝えられますか? 無責任に何かを書くことはできません。
協会は言葉は悪いけれど、メディアの使い方を完全に誤解していると思います。
田嶋幸三専務理事は会見の冒頭と最後に「10日発売なのでみなさんのご協力をよろしくお願いします」と頭を下げました。
それが間違いです。
僕たちは協会の広報媒体ではありません。
内容をわれわれにしっかり伝えることで、私たちもレポートの内容を考え、精査し、読者の方々に内容の見所、要点を伝えることが可能になります。
その記事で興味を持っていただく方も、中にはいらっしゃると思うんです(これがメディアに関係する人間のおごりなのでしょうか?)
ところが協会側はしなかった。
6300円ですよ。選手の素顔が映し出されているわけでもない。1試合を通じて、試合が収録されているわけでもない。はっきりいえば、多くの方々にはマニアックな内容です。詳細を知らずに、一般の方々が買いますか?
売りたいだけ、といわんばかりの商売根性を見せただけ、の会見だったとしかいいようがありません。
内容にしても、ドイツW杯と、ジーコ監督の4年間を取材したわたしにとっては、データや取材を通して大会後に紙面で行った企画などと変わりませんでした。
残念なのは、内部にいたからわかる、選手や監督におきていた、われわれが知りえない「何か」がまったくなかったことでした。
技術、戦術の分析が、少年まで含めた指導の現場で生きることは切に願うところです。
ただ、その総本山である日本協会が理論に傾き、サッカーは人間同士が行うスポーツで、心理マネージメント、簡単にいえば選手の士気が大きな要素であることを忘れているような恐ろしさを覚えた会見でもありました。


by 榊輝朗
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